軍事って、世界を戦争にしても平和にしないよね。

ネットでニュースを見ていると、未だに集団的自衛権が違憲か合憲かの話をしている。もうね、そろそろこの話題飽きて来たよ。

 
私もちょいちょい政治の話を書くけど、もしかしたら、見ている人からは「深井さんて、左翼寄りの思想じゃない」と受け止められているかもしれない。でも、ちょっと違っていて、私は左翼的な思想でもなければ、集団的自衛権も別に反対じゃないんだよね。集団的自衛権を持つことで、戦争になるならないは、正直、結果論だと考えている。日本が徴兵制になるとか核兵器を持つとか、攻撃するとかじゃなくっても、集団的自衛権を理由に相手国から攻撃される可能性だってあるわけだからね。それらの可能性も含んで、結果論でしかない気がする。
 
でもね、一応、憲法があるんだからさ、集団的自衛権を行使したいなら、憲法変えてからするのが筋じゃない、というのが私の立ち位置。
 
「じゃ、憲法を順守したために、某国から攻撃されてもいいの?」と反論する人もいるけど、私は「仕方ないんじゃない」って答える。そりゃ、攻撃されるのは嫌だけど、こうした縛りや決断の遅さが民主主義の政治制度であり立憲国家の宿命だからね。そのリスクも含んで日本はこの政治システムを取り入れているんだよ。嫌なら政治システムを見直すしかないんじゃない。

 

 

軍事って、世界を戦争にしても平和にしないよね

軍事力とそれを行使できる憲法は、本当に平和をもたらすのか。
もし、そうであれば、アメリカは世界で最も戦争をしていない国でなければならない。
だが現実は逆で、第二次世界大戦後、先進国で最も戦争をしている国はアメリカである。この事実を鑑み、私は以前から「軍事力」と「軍事力の行使を許す憲法」は、実は「平和」とは、さして関係がないのではないか、と考えるようになった。「軍事力がないと攻められる」「軍事を行使できないと勝手な事される」という論理は、確かに論としてとおっているが、事実から考えたら、あんまり関係ないのかもしれない。というか、互いに銃を突きつけあっている状態が「平和」とは言えないけどね。

そこで紹介したいのが『知の逆転』の一節。
エイヴラム・ノーム・チョムスキーが述べた言葉。

もし平和的な関係というものが、互いを破壊する能力と、わずかでもそれが行使される可能性のうえに成り立っているのであれば、われわれはもうおしまいです。 完全なる支配体制を築くのではない限り、軍事力は平和をもたらしません。 たとえばアメリカは、過去60年にわたって圧倒的な軍事力を備えていたわけですが、平和だったことなどほとんどありません。

知の逆転 (NHK出版新書)

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あぁ、でも「集団的自衛権」は、別に反対じゃないよ。やりたきゃやればって感じです。筋を通してからね。

 

エイヴラム・ノーム・チョムスキーについて……
アメリカ合衆国の哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者、論理学者。 彼は50年以上在籍するマサチューセッツ工科大学の言語学および言語哲学の研究所教授兼名誉教授である。言語学者・教育学者キャロル・チョムスキーは彼の妻である。
彼の業績は言語学分野にとどまらず、戦争・政治・マスメディアなどに関する100冊以上の著作を発表している。彼は文化論における巨魁と表現され、2005年には投票で「世界最高の論客」に選ばれた。