年賀状に“子どもの写真を載せる”というデリカシーのない行為をそろそろ止めませんか?

元日から届きはじめる年賀状。本来、新しい年を謹賀する喜ばしい慣習である。しかし、その陰で悲しんでいる人たちがいる。ある年賀状が届くからだ。それは、子どもの写真が載った年賀状である。

近年、不妊症に悩むカップルは6組に1組、何らかの不妊治療を受けている患者数は466,900人(厚生労働省調べ)いる。私の周りでも、不妊治療を受けている人や子どもを授かっていない夫婦がいる。子どもを作らないと予め決めている夫婦ならまだしも、そうでない夫婦に子どもの写真を載せた年賀状を送るのは、デリカシーのない行為になるかもしれない。

不妊治療を受けている女性から心情を聞いたことがある。彼女は、「子どもと手を繋いで歩いている家族を見たくない」「子どもの声を聞くのも嫌」と言っていた。もし、彼女と似た心持ちの人に“子どもの写真を載せた年賀状”が届いたら、どうだろう。それも毎年毎年、子どもの成長した姿を載せて送られてくるのだ。

もちろん、送り主に悪意などない。新年の挨拶として心を込めて年賀状を書き、送っている。だからこそ、受け取ったほうは「やめてほしい」などと言うに言えない。先の彼女は、年賀状がほったんで夫婦喧嘩になることもあると言う。

可愛い我が子の写真を載せたい気持ちは理解できる。だが、頭の片隅にでも置いてほしい。可愛いわが子の写真でも、受け取って悲しむ人がいるということを。