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徐々に育んだ愛なんて、愛じゃないってこと

書籍&映画

北野武の著書「女たち」を読んだ。
そこに書かれていた一文を読んで、長らく自分でも分からなかったことがようやく分かった。何が分かったのかを話しする前に、何が書かれていたのかを紹介したい。

近代社会の中で、愛っていうものの定義があるじゃない? だけど、俺なんかもっと本能的だから、もう圧倒的な行きずりの愛なんだ。下手すると、道歩いてて向こうから女が来て、「あ、いいなこの女」と思ったら、命懸けられるっていうことだよね。あんまり好きでもないのに一緒にいて、徐々に愛を育んでなんて気はさらさらになくて。そんなもんは全部幻想だ、いんちきだって思うよ。究極の愛は、向こうから女が来て、「助けて!」とか言ってさ。顔見たらいい女で好みだったら、命懸けてしまうってことだと思うよ。段取り踏んで、愛を確かめ合うようなことしているのは、命は懸けられないんだよね。確かめているヒマないもん。

女たち

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この一文を読んで、自分の中にあった疑問が解けた。
私事なのだが、私は映画「甘い人生」が好きだ。初めて観た時、物凄く感動した。でも、何に感動したのかが自分でも今一分からなかった。武の一文を読んで、「あぁ、そうか」って腑に落ちた。あの映画は、武の言う「究極の愛」を描いていたんだなぁ、と。

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映画を知らない人のために少し説明をすると、「甘い人生」は韓国映画で主演がイ・ビョンホン。一見はヤクザ映画だ。ボスが部下(イ・ビョンホン)に、愛人(大学生)の監視を指示する。もし、監視中にほかの男と付き合っていることが分かったら、迷わず女と男を殺せ、という命令だった。結局、その女には男がいた。しかし、部下は殺さなかった。そう、その部下は、ほとんど口も聞いたこともない女を好きになってしまったのだ。部下はその女を見逃したために組織の追われることになり、最後は死んでしまう。女はそんなこと知らずに普通に生活している。というあらすじだ。

この映画を見た時、なんか「すごくいい映画だなぁ!」って、感じがあった。じゃ、何がどういいのかって、なんかうまく言えなくて。で、その理由が武の本に書いてあった、というわけだ。