SNS上のいじめ問題 ~ 言論といじめの狭間で ~ 

最近、SNS上でいじめをよく見かける。
それも、子供がしているのではなく、立派な大人がしているのだ。
いじめの特徴でもあるが、いじめをしている側は「無自覚」でしている。

大人の場合はタチが悪く、「言論」や「正義」を振りかざしている。
最近の話題で例えれば、野々村議員問題だ。野々村議員に対して「議員としてあるべき姿」などを説くのなら、まだそれは言論の範囲だろう。だが、パロディ化した動画を作り、それをシェアしたりするのは、もはや言論ではない。中傷行為であり、いじめであり、集団リンチである。が、それを認識している人は少なく、注意をする人もいない。正義の名の下に刃を振りかざし、それを傍観している。これがSNS上のいじめ構図である。

仮に野々村議員が政治家として悪であったとしても、「あの人が悪だから」という論理で中傷して良い訳では当然ない。だが、パロディ動画を作りシェアする人たちは、「悪だから」という名目の下、いじめに加担している。

この文面を見て、省みる人もいれば、気に障った人もいるだろう。だが、この主張に対して倫理感に基づく反論はまずできない。

SNSはまだ発展途上のため、これから言論のあり方や倫理観が育っていくのだろう。言論といじめの狭間、今のSNSが潜在的に抱えている問題だと私は感じる。

最後は、ドラマ『リーガル・ハイ』の名言を引用して終わりにしたい

本当の悪魔は、巨大に膨れ上がったときの民意だよ。
自分を善人だと信じて疑わず、薄汚い野良犬がドブに落ちると一斉に集まって袋叩きにしてしまう、そんな善良な市民だ。

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