子どもに「自己責任論」を戒めるのは、軽く虐待です。

ちょっと前にシェアされてきた記事が興味深かった。
5歳児だったかそれぐらいの子どもが、ドリンクバーで色々なジュースを混ぜて、結局飲めなくなり、母親に「責任持って、最後まで飲みなさい」と叱られる話。
この話に大勢の人が称賛していた。「自分のしたことに責任を持たせるよい教育だ」と。私はこれを見て、軽いショックを覚えた、なぜなら、この話を読んだ時、「えっ、それって軽く虐待じゃね?」と思ったからだ。

もし自分がカクテル作りに失敗したら捨てるし、注文して出てきた料理が思いのほか量が多く食べきれなかったら、やっぱりこれも残す。大人だって普通にそうするし、別にそれでいいと思う(もちろん、食べれるならそれにこしたことはないけどね)。
それを子どもに「全部飲め」ってのは酷な話だ。もちろん叱るのはいい。でも、そんな不味くて身体に悪い物を無理に飲ませるのってはどうだろうか。子どもは失敗して「混ぜると不味い」と学習するのだから、全部飲ませる必要があるのだろうか。

そういえば小学生の頃、私はシシャモが嫌いで食べられなくて、給食後の授業中でも食べさせられてたな。食べ物を粗末にしてはいけないという教育だと思う。その思想は正しいけれど、手段がおかしい。食べれない人がいたら、食べれる人にあげればいい。自己責任ではなく、助け合うほうを教えたほうがいいと思った。この「自分の分は自分が食べるべし」というよく分かんない自己責任論は、色々と非効率だし、多数を幸福にしない。

シェアされてきた話に感じたもう一つの闇が、この「自己責任論教育」。日本人はとにかく自己責任が大好きだ。海外に行って人質になったら、「自己責任だから、まぁ仕方ない(死ね)」「日本に迷惑かけるな」と同胞を見殺しにしたり、返ってきた人に酷いバッシングをしたりする。そして、自己責任感が強い人ほど、窮地に立たされると自殺する。

私は、日本人の自殺の多さの一端に、この「自己責任論教育」にもあると思っている。シェアされてきた記事への賛辞を見て、それを垣間見た気がする。