安倍前首相の会見に見る、現政権の体質

「説明責任は果たした」
通称「桜を見る会」における「参加費用の一部補填問題」への嫌疑に対し、安倍前首相が虚偽答弁を118回繰り返してきたことが分かった。安倍前首相は会見を開き、「秘書が独断で私の口座から勝手に補填していて、自分は関知していなかった。だが、道義的責任は痛感している」と釈明した。

この釈明を真に受ける国民がどれほどいるかはわからないが、森友問題のようにトカゲの尻尾きりをして幕を下ろしたいのだろうと、多くの国民は察していることだろう。佐川元財務省局長や安倍昭恵の付き人の谷査恵子氏が栄転したように、罪を被る安倍前首相の秘書もまた将来栄転するのだろうか。

話は変わるが、最近、珪藻土を使ったマットレスにアスベストが混入していた事実をニトリが発表した。全品回収を行うとし、大変な騒ぎになっている。品質不良だったのはいただけないが、公表して全品回収した決定は英断だと思う。

ニトリはどこかで生産工場(中国)から納品されるマットレスに何かしらの疑念を抱き、品質検査をかけたのだろう。嫌な予想は的中しアスベストが検出された。ニトリはそれを隠さず公表し、全品回収の決断を下した。人命がかかっているのだから当然の決定と思うかもしれないが、企業はそう割り切れないものなのだ。

先日、映画『7つの会議』を観た。
ネタバレをしてしまうが、映画は、検品データを改竄して不良品を納品し続けてきた事実を、その会社に務める主人公が明るみにしていく物語だ。映画で描かれていたのは、人命よりも会社の利益を優先する経営幹部たち。部下に忖度を促し、自分に責任が及ばないように工作したり、悪事がバレれば言い訳ばかり。

しかし、考えてみれば当然のことだ。データ改竄までして利益を得ようとする経営幹部らが公表するわけがない。どれぐらいの数があるか分からないが、こうした悪事を隠蔽してきた企業は星の数ほどあると思う。

翻って、公文書偽造する政府や政治家はどうか。推して知るべしである。

さて、我が家にも2年前に購入した珪藻土のマットレスがある。見なかったことにしよう。

 

七つの会議

七つの会議

  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: Prime Video