価値観とは一体何なのか | 価値観が合う・合わないを言う前に

あなたは「価値観」を定義できるだろうか?
「価値観が合わない」と言い、離別するカップルは多い。しかし、そんな彼ら彼女らは、価値観というものをどこまで知っているのだろうか? いや、これは男女の話しだけではない。人間関係全般に「価値観」は関与している。

私の定義では、“価値観とは、人生における優先順位”である。
その人が人生において、何をどの順番に順位付けしているのか、その総合体を「価値観」と呼ぶ。だから、価値観が合う合わないは、優先順位が合う・合わないの差と言える

価値観を形成しているものが優先順位だと分かれば、人間関係は円滑になる。「あぁ、この人は私が下位に置いている○○の優先順位が高いんだな」と。このように相手が何を重んじているのか、どんな順位付けをしているのかを見ることで、必然的に相手を理解しようとする姿勢になる。相手の価値観が理解できれば、そうそう嫌いなることはない。むしろ、「あぁ、そういう人なのだな」と客観的に見ることができる。

人間関係のもつれは、価値観が合わないからではない。相手の価値観を知ろうとしないからである。互いが理解し合えば、人間関係のもつれはだいぶ軽減されるはずだ。

私自身、人のことを嫌いになることは極めて少ない。むしろ、人から嫌われるパターンのほうが10倍以上多い。私が人を嫌いにならないのは、「あぁ、私がどうでもいいと思っていることだけど、この人にとっては大事なことなんだな」と理解のレベルまで落としているからなのだ。

人を嫌いになるのは、相手の価値観が受け入れられないのではなく、そもそも、“相手の価値観を理解しようとしたくない”という態度の表れなのであり、人間関係からの逃亡でしかない。時にそれは必要だろう。だが、それは同時に、“障害から逃げる成長のない行為”でもある。

私なりの表現をすれば、「嫌いになったら負け」なのである。