ねじれた愛国心は、民族や障害者を差別する危険性を孕んでいる

前回、障害者施設殺人事件のブログ記事をアップした。


記事では、あえてカットした部分がある。それは事件と愛国心の関連性についてだ。他の方が、私の言いたかったことを語ってくれていた。

 

これを端緒に、私なりの「自称愛国者と差別」について述べておきたいと思う。


今回、事件を起こした容疑者は自称愛国者だ。衆議院議長大島理森様に宛てた手紙やTwitterの内容からもそれが伺える。容疑者は「日本国のためにも障害者はいないほうがいい」という思想の下、事件を起こしたのだ。

愛国精神自体は非難すべきことではない。大切な精神だ。だが、「日本・日本人は素晴らしい」という言葉には「それ以外の国や民族は劣っている」という意味を含意している。含意していなくても隣り合わせである。一歩間違えれば、たちまち差別思想に陥ってしまう。

たとえば、SNSのアイコンを日本国旗にしたり、プロフィールに「愛国」類の言葉を載せる人たちが如何に韓国・中国をヘイトしていることか。愛国心と民族差別が隣り合わせであることが見て取れる。ヒトラーも愛国精神の下、障害者や他の民族を大量虐殺した。今回の障害者殺人事件と愛国精神は無関係ではない。

私も日本は好きだし、日本の文化もエンタメも愛してやまない。だが、だからといって声高に愛国精神を叫んだりはしない。むしろ、声高に愛国心を叫ばなくてはならない「心の状態」がむしろ理解できない。私が思うにそれは“ねじれた愛国心”なのだ。つまり、先述した民族差別や弱者差別を生む可能性の高い愛国心なのである。

私も韓国や中国の反日教育、領土問題は正直腹立たしく思う。だが、だからといって民族を差別する気はない。韓国や中国の政治に腹が立っても、民族を発言する発言をしないのは、それをすれば私が愛する日本国を貶めることになるからだ。我が国を、差別を容認する国にしたくない。それこそが日本を貶める行為だと思っている(だから私はネトウヨが嫌いです。「愛国心」と言いながら、ヘイトをして日本の品位を貶めているから)。「美しい日本」とは、こうした差別が蔓延しない国だと思っている。

 

 

参考動画

youtu.be

 

 

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引用

愛国心とは、ならず者達の最後の避難所である。(サミュエル・ジョンソン/イギリスの文豪)

最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で、悪辣で、馬鹿みたいなことをしている時に、それを言ってやることだ。(ジュリアン・バーンズ/作家)

愛国心は人類愛と同一である。(マハトマ・ガンディー)