憲法9条の真実と安倍総理の嘘

「憲法9条(戦争放棄)は幣原喜重郎の発案」という証拠が出たり、「日本国憲法はアメリカがつくった」 とバイデン副大統領が明言したりと、情報が錯綜している。


みんな、都合のいい情報は擁護して、都合の悪い情報には目をつぶる。確証バイアスが顕著に出て実に面白い。

私は改憲してもいいと思っているため、事実がどっちでもいいのだが、「押しつけ憲法だから改憲していい」という主張は否定しておきたい。大切なのは、押しつけだろうがなかろうが、当時の国民が新憲法をどう受け入れたかだ。私の認識では、当時の日本人は新憲法を熱烈に歓迎したと認識している。改憲するにしても、その必要性が生じているからでいいと思う。「押しつけだから改憲すべき」という言説(姑息な手)は嫌いだ。

姑息にちなんで言うと、公明党の山口代表が「9条改正必要ない」との認識を示した。「平和安全法制を整備する議論の中で、憲法9条に対する考え方を再確認した。それをみずから否定する議論をするつもりはない」と。

当然だ。改憲して9条を変えるなら、はじめからそうすればいい。集団的自衛権への解釈変更は意味がない。安倍総理は、改憲の争点になるだろう9条に既成事実を作り改憲しやすい土壌を作りたかったんだろうが、その考え方がそもそも姑息なのだ。

「政治家は嘘をつくな」と言うつもりはない。だが、安倍総理は嘘が下手過ぎる。もうちょっと、上手く騙してくれないものだろうか。ちなみに、私が安倍総理は嘘が下手と思ったのは、東京オリンピックへ誘致する際の演説だ。原発問題が真っ只中、総理は「原発のリスクは完全にコントロールしている」と発言した。私はこれを見て、「あぁ、この人は目的のためなら、こんなあからさまな嘘でも平気で言うんだな」と思った。「日本のために嘘を言っている」と寛容な気持ちで受け止めている人もいるだろうが、嘘は軽々に口にするものではない。信用を落とすというリスクが常に付きまとうからだ。直近でも、早速自身の発言との齟齬が生じている。

※ほかにも「安倍総理 嘘」と検索すればいくらでも出てきます。

 

なんためにオバマ大統領を呼びスピーチさせ、安倍総理も「核兵器のない世界を必ず実現する。その道のりがいかに長く、いかに困難な者であろうとも、絶え間なく努力を積み重ねていくことが今を生きる私たちの責任であります」などと演説したのか。虚心や嘘に支えられた言説は、かならずほころびが出てしまうものだ。だから、ほどほどにね。