ストロング酒とスマホガチャと腐敗政治に通じるもの

「夜はストロング酒でキメるぜ!」
そんな日常を過ごしている人はいないだろうか?

私も一時期、ストロング系のお酒にハマっており、安くてすぐ酔えるため重宝していた。特に夏には柑橘系がピッタリだ。

そんなストロング系、アルコール度数が9~12%と高く、依存症・中毒になる人が続出しているそうだ。専門家の間でも「規制したほうが良い」という意見が出ている。そんな中、オリオンビール社がストロング系チューハイの販売を中止すると発表した。

 

英断だと思う。
消費者の健康を考え、利益を殺す決断できる経営者が今の時代どれぐらいいるだろうか?
これを期に、消費者を依存させて利益を上げる是非について、もっと議論が深まっていけばと思う。

 

 

スマホガチャは、悪徳商法

「依存症・中毒」と言えば、私は「スマホガチャ」が思いつく。このビジネスも中々と悪どい。ガチャというシステムには、パチンコと同様の依存性があることが分かっていながら、今は無法地帯だ。ゲーム市場は1.7兆円あり、そのうちスマホゲームが1.2兆円を占めている。言わずもがな、1.2兆円のほとんどはガチャによる収益だ。

実は私、大のゲーム好きだった。小学~中学までゲーム三昧。学校に行かなくなるレベルでゲームをやっていた。そんな私から見た「ガチャ文化」は、ぶっちゃけ狂っていると言わざるを得ない。

私がプレイしていた家庭用ゲーム機のソフト価格は、7千円前後。これぐらいのコストで何十時間も楽しめたものだ。強力なモンスターを倒せるか、レアアイテムを見つけられるかは、プレイヤーの努力次第だったが、今ではお金を払わないとそれが叶わない。努力ではなく金がものを言う世界。しかも、数万円程度ではきかず、数十万、数百万も課金しなくてはいけない。

中毒性が指摘されている以上、「個人の自由だから」では言い逃れできない。ガチャを取り入れているゲームは、中毒性の高いドラッグを売っているのと同じだ。ドラッグを売って「個人の自由だから」とは言えない。しかも、子どもたちも遊んでいるわけだから、規制なり、企業自粛などを考えていかなくてはいけないと思う。

さて、ゲーム業界からオリオンビール社のような決断ができる企業は出てくるのだろうか。

 

 

「結果を重視」は、プロセス(手段)を蔑ろにする

資本主義は、得てして結果重視に陥りがちだ。企業は、売上(利益)を出すことが至上命題になる。もちろん結果を出すことは大切だが、あまりにも優先しすぎるとプロセスを軽視しはじめ、道徳的に反した行いを犯してしまう。スマホガチャがまさにその一例と言える。

結果重視は、営利活動だけではなく政治の世界でもある。
最近、自民党がTwitterで憲法改正を促す4コマ漫画が批判を浴びた。ダーウィンの進化論を都合よく曲解して使ったからだ。「撤回すべきだ」という批判に対して自民党の広報本部は、「憲法改正について、国民の皆様にわかりやすくご理解していただくために、表現させていただきました」と回答し、自民党議員の二階堂氏は「おおらかに受け止めていったらいいんじゃないか」と述べている。要は、撤回する気もなければ、反省もしていないわけだ。

また、河井克行・前法相(衆院議員)容疑者が広島の地方議員らにお金を渡していたことが明るみになった。曲解、捏造、隠蔽。度重なる不祥事は、結果を優先したために起こった事象と見ることができる。

政治には本来、国民にはプロセスを監視する権利、政府には公開する義務がある。プロセスを蔑ろにしないためだ。しかし、そのプロセスを捏造、隠蔽するという悪行は、政治システムを殺しに来ているに等しい。

あまりに腐った政治に嘆き、今夜はストロング酒でキメようと思う。

 

 

 

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